コラム
記事作成日2025.05.15
今回のリポートは、「断熱工事」と「耐震工事」の様子をお伝えします。
住まいの快適性と安全性を大きく左右する重要な工程。どちらも見えないけれど、暮らしに直結する工事です。現場の様子と共に、わかりやすくご紹介します。
🔍目次
1.断熱工事 ~夏涼しく冬暖かい快適空間へ~
2.耐震工事 ~安心・安全を支える構造補強~
3.採用した断熱材・耐震部材のメリット
4.まとめ:住まいの性能向上で、より豊かな暮らしを
1. 断熱工事 ~夏涼しく冬暖かい快適空間へ~
「冬は底冷えして寒い」「夏は2階がサウナのように暑い」----これは築年数の経過した住宅でよく聞かれる悩みです。
今回の現場は「地域区分7(鹿児島県)」に該当し、断熱等性能等級4の基準を満たすよう計画しました。
📌外壁・屋根の断熱強化
外壁はアクリアネクストという高性能グラスウール断熱材を隙間なく充填し、気密性と断熱性能を向上。
屋根もアクリアネクストを採用し、夏場の屋根裏温度の上昇を抑え、冷房効率を高めています。
📍ポイント:地域区分7では、「過剰な性能」ではなく「最適な性能」がコストと快適性のバランスを生み出します。
📌床下の断熱改修
床下には施工性・透湿性に優れたアクリアUボードNTα を設置。冬場の底冷え対策だけでなく、防湿シートを併用して湿気・結露対策も万全にしています。
📌窓まわりの断熱強化
サッシはLIXILサーモスL(Low-E複層ガラス)に交換。断熱性はもちろん、防音効果や結露防止にも高い効果を発揮しています。
📍ポイント:窓の断熱性能向上は、冷暖房効率の改善に直結。開口部の見直しは快適性アップの最重要ポイントです。
2. 耐震工事 ~安心・安全を支える構造補強~
日本は地震大国。住まいの耐震性能は、安心して暮らすために不可欠な要素です。
今回の現場では、現行の耐震基準に適合させるため、耐震診断に基づいた補強工事を実施しました。
📌耐震診断の実施
・壁の配置バランスの確認
・基礎の状態(鉄筋の有無やひび割れ)
・柱・梁の接合部の強度確認
調査の結果、耐力壁の不足や基礎のひび割れが確認され、必要な補強工事を行いました。
📌耐力壁の設置・補強・筋交いの撤去
構造用合板と筋交い金物の設置、さらに筋交いの追加によって耐力壁を強化。
建物全体のバランスを考えた耐震補強により、あえて筋交いを撤去している箇所もあります。地震時の倒壊リスクを大幅に低減しています。
📍ポイント:耐震補強は壁量だけでなく、適切な位置に筋交いを配置・撤去することが重要です。
📌基礎クラック補修工事・一部基礎断熱材充填
基礎のひび割れに対しては、必要に応じたクラック補修工事を実施。
また、一部の基礎部分には断熱材を充填し、基礎の耐久性向上と室内の快適性を両立しました。
3. 採用した断熱材・耐震部材のメリット
・アクリアネクスト:高断熱性能、復元性に優れ隙間なく施工可能。ノンホルムアルデヒド仕様で健康面も安心。
・アクリアUボードNTα:高い圧縮強度と防湿性。床下の冷気侵入を防ぎ、長期的に性能を維持。
・LIXIL サーモスL:Low-E複層ガラスにより、断熱性・防音性・結露防止性能が向上。デザイン性も優れています。
・構造用合板:面で支えることで高い耐震性を確保。施工精度が高く安定した性能を発揮。
・筋交い金物:引き抜きや剪断力に強く、柱・梁の負担を軽減。耐震性の向上に直結。
・筋交い追加:適切な位置への筋交い追加により、構造バランスを改善し耐震性能を強化。
4. まとめ:住まいの性能向上で、より豊かな暮らしを
今回のリノベーションでは、断熱等性能等級4のクリアと耐震性能の向上を両立し、見えない部分から住まいの価値を大きく高めました。
・快適な室内環境と省エネ性の向上
・地震に強い安全な構造補強
・補助金制度を活用したコスト最適化
長期優良住宅化リノベーションは、単なる見た目の美しさだけでなく、安心して長く快適に暮らせる住まいづくりを可能にします。
次回は、いよいよ内外装仕上げや設備機器の設置の様子をご紹介します。どうぞお楽しみに!
長期優良住宅化リノベ現場リポート vol.1 はこちら
長期優良住宅化リノベ現場リポート vol.2 はこちら