コラム
記事作成日2025.03.01
前回のレポートでは、解体後の現場の様子をご紹介しました。
今回は、既設管の撤去・配線処理・防蟻工事についてお伝えします。
築年数が経過した住宅では、目に見えない部分に様々な課題が隠れていることが多く、これらの工程がリノベーションの成功を左右します。
🔍目次
1.既設管の撤去 ~老朽化した配管のチェック~
2.配線処理 ~安全性と利便性の向上~
3.防蟻工事 ~シロアリ対策で住宅の耐久性アップ~
4.まとめ:見えない部分こそ、しっかりチェック!
1. 既設管の撤去 ~老朽化した配管のチェック~
リノベーションでは、キッチン・浴室・トイレなどの水回り設備の改修が重要なポイントになります。しかし、設備の入れ替えだけでなく、給水管・排水管の状態チェックも欠かせません。築年数が経過した住宅では、古い配管のままだと以下のリスクが生じます。
特に、鉄管が使われている場合は要注意! 錆びが内部に蓄積すると、配管の閉塞や漏水の原因になります。そこで、今回は古い給排水管をチェックし、耐久性の高い**架橋ポリエチレン管(ポリブテン管)**に交換しました。これにより、水の流れがスムーズになり、赤水や水漏れのリスクを軽減できます。
また、排水管には長年の使用による汚れの蓄積があるため、新しい設備に合わせてルート変更や勾配の調整を行いました。特に集合住宅では、排水管の勾配が不適切だと詰まりや逆流の原因になりますので、慎重に施工します。
📍ポイント:給排水管の見直しが長寿命化のカギ
築年数が経った住宅では、給水管・排水管の劣化が進んでいる可能性が高いため、リノベーション時にチェックと交換を推奨します。新築のように見えても、水回りの配管が古いままだと、将来的なトラブルにつながることがあります。
2. 配線処理 ~安全性と利便性の向上~
電気配線も、住宅の性能を向上させるうえで見逃せない重要なポイントです。築30年以上の住宅では、次のような問題が発生しがちです。
現代の生活では、家電製品の使用が増えたため、古い住宅の電気容量では足りないことが多いです。そこで、今回はブレーカー容量をアップし、配線を一新しました。また、家具の配置を考慮したコンセントの増設を行い、生活しやすい環境を整えました。
特に、キッチン周りは電力消費が多いため、専用回路を追加しました。IHクッキングヒーターや電子レンジ、食洗機などを同時に使用してもブレーカーが落ちないように設計しています。
また、照明のスイッチも使いやすい位置に変更しました。最近では**「スマートスイッチ」**の導入も進んでおり、スマホで照明を操作できる便利な機能も追加可能です。
📍ポイント:電気配線は現代の生活に合わせて最適化
リノベーションの際に、電気の使い勝手を考慮してブレーカー容量やコンセント・スイッチの配置を見直すことが重要です。火災リスクの低減にもつながるため、古い配線は撤去・交換を推奨します。
3. 防蟻工事 ~シロアリ対策で住宅の耐久性アップ~
築30年以上の木造住宅では、シロアリ被害のリスクが高くなります。特に床下や壁内部は普段見えないため、被害に気づきにくいのが厄介です。
今回の工事では、以下のステップで防蟻対策を実施しました。
シロアリ対策は定期的なメンテナンスが重要です。特に、湿気がこもりやすい床下の換気対策も併せて実施し、被害リスクを最小限に抑えました。
📍ポイント:防蟻対策は住宅の長寿命化に不可欠
リノベーションの際に、床下点検と防蟻処理を実施することで、シロアリのリスクを軽減できます。特に築年数が経った住宅では、見えない部分のケアが住宅の耐久性を左右します。
4. まとめ:見えない部分こそ、しっかりチェック!
今回の現場リポートでは、既設管の撤去・配線処理・防蟻工事についてご紹介しました。
リノベーションでは、デザインや設備の入れ替えだけでなく、住宅の性能や耐久性を向上させる工事も非常に重要です。
次回は、断熱工事や耐震補強工事の様子をお伝えします!
長期優良住宅化リノベーションの全貌が明らかになっていくので、ぜひお楽しみに。
▼ これまでのレポートはこちら
👉 長期優良住宅化リノベ 現場リポート vol.1