COLUMN

コラム

内見時に重視すべきポイント

記事作成日2024.09.26

内見時に重視すべきポイント

中古住宅の購入は、新築にはない魅力がたくさんあります。リノベーションによって自分好みの空間を作ることができるのも、その大きなメリットです。しかし、中古物件を購入してリノベーションをする際には、内見時にしっかりと物件をチェックすることが必要不可欠です。

そこで今回は、中古マンション・木造戸建てのそれぞれの特徴に合わせて、リノベーションを前提とした内見で重視すべきポイントを解説します。


目次

  1. マンションの内見で重視すべきこと
  2. 木造戸建ての内見で重視すべきこと
  3. 共通してチェックしたいポイント
  4. まとめ

マンションの内見で重視すべきこと

中古マンションのリノベーションを前提に内見する場合、まず確認しておくべきは建物の構造や管理体制です。快適な住まいを実現するために、以下の点をしっかりチェックしましょう。

1. 耐震性・構造の確認

耐震性は、中古マンションを選ぶ際の大きなポイントです。特に1981年6月以降に新耐震基準が施行されて以降の物件であれば、耐震性能が大幅に向上しています。新耐震基準に準拠しているかどうかは、物件の築年数や資料で確認できるので、必ずチェックしましょう。

ただ、東京カンテイの調査における阪神淡路大震災と東日本大震災時のマンションの被害状況をまとめたデータによると、旧耐震基準といえども「住めない状態」の大破したマンションは意外と少ないというデータがあるので、旧耐震基準のマンションだからという理由で選択肢から外すのは早計かもしれません。

また、マンションの構造としては、鉄筋コンクリート(RC)鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)が主流であり、耐久性や防音性に優れています。これらの構造であれば、間取り変更やスケルトンリノベーション(内装を全て取り除くリノベーション)など、自由度の高いリノベーションが可能です。

一方で、軽量鉄骨などの構造では、遮音性が低くなりやすいので注意が必要です。また、間取り変更に制約があることも考慮しましょう。

2. 配管や電気設備の状態

リノベーションを行う際に気をつけたいのが、給排水管や電気設備の状態です。築年数が古い物件だと、配管の老朽化が進んでいる場合が多く、そのままでは使えないことがあります。給排水管の劣化状況によっては交換工事が必要になり、リノベーション費用が大きく変わることもあるので注意が必要です。

特に水回りの位置を大きく変更するようなリノベーションを検討している場合、配管の位置や構造が変更可能か確認しましょう。また、電力供給量が十分でない場合は、電気工事が必要になることもあります。ブレーカーのアンペア数やコンセントの数なども併せてチェックしておくと安心です。

3. 修繕積立金や管理規約の確認

マンションのリノベーションにおいて意外と見落としがちなのが、修繕積立金管理規約です。修繕積立金は、マンションの共有部分(外壁やエレベーター、廊下など)の維持や修繕に使われる積立金で、その額が低いと大規模な修繕が行われない可能性があり、建物の劣化が進んでいる可能性があります。逆に高すぎる場合も、費用負担の面で注意が必要です。

また、管理規約には、リノベーションに関する制限事項が記載されています。たとえば、壁を取り払う間取り変更や床材の種類など、リノベーションの内容が規約に抵触しないかを確認しておく必要があります。

管理組合の修繕計画や過去の修繕履歴もチェックし、今後の建物のメンテナンス体制がしっかりしているかを見極めましょう。特に、リノベーションの際に共用部分に手を加える可能性がある場合、許可が必要な工事や制限されている作業がないか事前に確認しておくと安心です。

4. 共用部分の状態と管理体制

マンション全体の管理体制や共用部分の状態は、物件の価値や居住者の生活に大きく影響を与えます。エントランスやエレベーター、廊下、ゴミ置き場などの共用部分が清潔に保たれているか、定期的な清掃やメンテナンスが行われているかを確認しましょう。

共用部分がきちんと管理されている物件は、管理組合がしっかり運営されている証拠でもあります。また、将来的な大規模修繕の計画があるかどうかも事前に確認しておくとよいでしょう。


木造戸建ての内見で重視すべきこと

木造戸建ての場合、マンションとは異なり、建物の基礎や構造の状態に大きく注目する必要があります。築年数やメンテナンスの状態によっては、リノベーションの内容に大きく影響するため、以下の点を確認しましょう。

1. 構造・骨組みの状態

木造戸建ての場合、柱や梁の状態をしっかりチェックすることが大切です。特に、シロアリ被害や腐食の有無、柱や床の傷み具合などは、物件の耐久性や安全性に直結します。床下や屋根裏の状態を確認できる機会があれば、ぜひチェックしましょう。

構造的には、軸組み工法ツーバイフォー工法がありますが、軸組み工法の方が間取りの自由度が高く、リノベーションの際に壁を撤去したり空間を広くすることが可能です。一方、ツーバイフォー工法は壁で支える構造のため、間取りの変更が難しい場合があります。

耐震性については、新耐震基準で建てられた中古戸建は、旧耐震基準に比べて耐震性が向上しており、震度6強から7程度の地震でも倒壊や崩壊しにくいとされています。しかし、中古物件の場合、経年劣化や増改築の履歴によって耐震性が変わることもあるため、購入前に建物の状態をしっかりと確認し、必要に応じて耐震診断を受けることが重要です。また、基準を満たしている物件でも、さらに安全性を高めるために耐震補強を行うことも検討すると良いでしょう。

2. 基礎や外壁の状態

建物の基礎部分は、耐震性や耐久性に直結する重要な部分です。ひび割れがないか、基礎がしっかりと水平であるか、傾きがないかなどを確認しましょう。また、外壁や屋根の状態もチェックポイントです。ひび割れや塗装の剥がれ、雨漏りの跡などがないかを確認し、必要なメンテナンスの有無を判断しましょう。

外壁や屋根の状態が悪い場合、リノベーションの際に大規模な修繕が必要になることもあるので注意が必要です。

3. 周辺環境との調和

木造戸建ての場合、建物自体の状態だけでなく、土地の形状や周辺環境も重要です。例えば、日当たりや風通し、道路との高低差などは、リノベーション後の生活の快適さに影響を与えます。

また、隣接する建物との距離や視線も考慮し、プライバシーが守られた空間を作りやすいかどうかも確認しましょう。


IMG_2200.jpg

共通してチェックしたいポイント

1. 間取り変更の可能性

リノベーションの最大の魅力は、間取りを自由に変更できることです。しかし、建物の構造や管理規約によっては、希望する間取りに変更できない場合があります。内見の際には、どの壁が撤去可能か、柱や梁の位置を確認し、希望する空間が実現できるかどうかを見極めましょう。

2. 遮音性・断熱性

遮音性や断熱性も、快適な住空間を作るための重要な要素です。マンションの場合、床スラブの厚さが遮音性に影響します。戸建ての場合、壁や窓の断熱性能も確認しましょう。特に、冬場の冷え込みや夏場の暑さを抑えたい場合、リノベーションで断熱材の追加や二重窓の設置ができるかどうかも検討しておくと良いでしょう。

3. 将来のメンテナンス

中古住宅を購入しリノベーションする場合、リノベーション後も長く住み続けることを考えると、将来的なメンテナンスも視野に入れる必要があります。特に、築年数の古い物件では、定期的なメンテナンスが必要になる可能性が高いため、購入時に修繕の計画や費用を見込んでおくと安心です。


まとめ

中古住宅のリノベーションは、新築では得られない魅力と可能性を秘めています。しかし、リノベーションの成功には、物件選びが重要です。内見時には、建物の構造や状態、管理状況をしっかり確認し、リノベーションの可能性と費用を見極めることが大切です。

マンションや木造戸建て、それぞれの特徴を理解し、自分の理想とするリノベーションプランが実現できる物件を選びましょう。しっかりと準備をして、理想の住まいづくりに向けて一歩を踏み出してみてください!